こんにちは、松戸整体院院長の清水です。
神経調節性失神は、突然の血圧低下や心拍数低下により、一時的に脳への血流が減少し、意識を失うことを特徴とする失神の一種です。
この失神は、しばしば「反射性失神」や「血管迷走神経反射性失神」とも呼ばれます。NCSは、最も一般的な失神の原因の一つであり、特に若年層や健康な成人に多く見られます。
神経調節性失神の特徴
長時間の立位
立ち続けることで、血液が下肢に溜まり、血圧が低下することがあります。
ストレスや恐怖
精神的なストレスや恐怖、痛みなどがトリガーとなり、迷走神経が刺激されることで失神が誘発されることがあります。
温度変化
暑い環境や入浴後に失神することがあります。
食事
食後の血流が消化器に集中するため、低血圧になりやすく、失神を引き起こすことがあります。
神経調節性失神の発症メカニズム
迷走神経の過剰反応
迷走神経は、副交感神経の一部であり、心拍数や血圧を調節します。
特定のトリガーにより、迷走神経が過剰に刺激されると、心拍数が急激に低下し(徐脈)、血管が拡張(血管拡張)して血圧が低下します。
これにより、脳への血流が不足し、失神が起こります。
循環血液量の減少
長時間の立位や脱水によって、血液が下肢に溜まり、心臓へ戻る血液が減少します。
これにより、心臓の拍出量が低下し、血圧が下がり、失神が発生することがあります。
交感神経と副交感神経のバランス崩壊
ストレスや痛み、恐怖などが引き金となり、交感神経と副交感神経のバランスが崩れることがあります。
これが迷走神経の過剰な反応を引き起こし、失神につながります。
神経調節性失神の症状
めまい
立ち上がったときや立っているときに、めまいを感じることがあります。
視覚障害
視界がぼやけたり、暗くなったりすることがあります。
吐き気
吐き気や腹部不快感が生じることがあります。
冷や汗
発汗が増加し、手足が冷たくなることがあります。
顔面蒼白
血圧の低下により、顔色が青白くなることがあります。
これらの前兆が現れた後、数秒から数分以内に意識を失うことがあります。
通常、意識は数秒から数分で回復し、後遺症はありませんが、失神による転倒などの二次的な怪我に注意が必要です。
神経調節性失神の治療
トリガーの回避
失神を引き起こす特定の状況や環境(例えば、長時間の立位、暑い環境、ストレスの多い場面)を避けることが重要です。
体位管理
立ち上がる際には、ゆっくりと体を起こし、急激な血圧低下を防ぐようにします。
また、失神の前兆を感じたら、すぐに座るか横になることで、失神を回避できる場合があります。
水分補給と塩分摂取
十分な水分を摂取すること、また適度に塩分を摂取することで、血液量を維持し、血圧を安定させる効果があります。
特に脱水症状を防ぐために、こまめな水分補給が推奨されます。
弾性ストッキング
弾性ストッキングを使用することで、血液が下肢に滞留するのを防ぎ、立位時の血圧低下を防ぐ効果があります。
薬物療法
症状が重い場合や、頻繁に失神を起こす場合には、薬物療法が検討されることがあります。
例として、ベータ遮断薬(心拍数を安定させる薬)や、フルドロコルチゾン(血液量を増加させる薬)が用いられることがあります。
神経調節性失神の心理的サポート
ストレスや不安がトリガーになることが多いため、心理的なサポートやカウンセリングが有効な場合があります。
神経調節性失神の日常生活でのアドバイス
食事後の安静
食後に血流が消化器官に集中するため、食後すぐに立ち上がることは避け、しばらく安静にすることが推奨されます。
十分な睡眠
疲労が失神のリスクを高めるため、十分な睡眠を取ることが重要です。
運動
軽度の有酸素運動や筋力トレーニングが、循環器系の機能を改善し、失神の予防に役立つ場合があります。
神経調節性失神で医療機関に相談すべきタイミング
✅失神が頻繁に発生する、または初めて発生した場合
✅失神に伴って、胸痛や息切れ、極端な動悸がある場合
✅家族歴に心臓疾患がある場合
神経調節性失神は、多くの場合、良性であり、適切な管理と予防策によって症状をコントロールできます。
しかし、頻繁に失神を起こす場合や、生活に支障をきたす場合は、医師の診察を受けることが重要です。
適切な診断と治療を受けることで、症状を効果的に管理し、生活の質を向上させることが可能です。