遷延性体位性頻脈症候群についてのまとめ

こんにちは、松戸整体院院長の清水です。

遷延性体位性頻脈症候群は、体位性頻脈症候群(POTS)の一種で、長時間の立位や座位を保つことで心拍数が異常に増加し、様々な症状が持続的に現れる状態です。

通常のPOTSは、立ち上がった際に心拍数が急激に増加するのに対し、遷延性POTSでは、その増加が長時間持続し、立位を保つ間中続くことが特徴です。

遷延性体位性頻脈症候群の特徴

遷延性POTSの主な特徴は、長時間の立位や座位で心拍数が持続的に増加することです。

以下のような症状が見られることがあります。

心拍数の持続的な増加

立位や座位に移行してから30分以上経過しても、心拍数が高い状態が続きます。

心拍数は通常、立位で30回/分以上増加し、持続的に100回/分を超えることが多いです。

めまい

特に長時間の立位を保ったときに、めまいやふらつきを感じることがあります。

疲労感

持続的な頻脈により、全身の疲労感が強く、日常生活に支障をきたすことがあります。

動悸

心臓が強く鼓動する感覚が持続します。

吐き気

頻脈に伴い、吐き気や腹部不快感が生じることがあります。

頭痛

頻繁に頭痛を伴うことがあります。

遷延性体位性頻脈症候群の発症メカニズム

遷延性POTSのメカニズムは完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関与していると考えられています。

自律神経系の異常

自律神経系が正常に機能しない場合、立位に伴う血圧や心拍数の調整が不十分になります。

特に、交感神経の過剰な活動により、心拍数が持続的に高くなることが特徴です。

血液量の減少

血液量が減少している場合、心臓が十分な血液を送り出すために心拍数を増加させようとします。

これが持続的に起こると、遷延性POTSとなる可能性があります。

血液の再分配の不均衡

立位時に血液が下肢に滞留し、心臓へ戻る血液量が減少すると、心拍数が増加して全身への血流を補おうとします。

これが長時間続くことで、遷延性POTSが発生します。

血や電解質異常、甲状腺機能異常など、他の原因を除外するために血液検査を行います。

遷延性体位性頻脈症候群の治療

遷延性POTSの治療は、症状を軽減し、患者の日常生活を改善することを目的とします。

以下に一般的な治療法を挙げます。

生活習慣の改善

水分と塩分の補給

十分な水分と適度な塩分を摂取することで、血液量を増加させ、心拍数の安定を図ります。

特に、こまめな水分補給が重要です。

体位管理

長時間の立位を避け、体位を変える際にはゆっくりと行うよう心がけます。

また、立位を保つ際には、時折足踏みを行うなど、血流を促進することが推奨されます。

弾性ストッキング

下肢への圧力を高め、血液が下肢に滞留するのを防ぐため、弾性ストッキングの使用が推奨されます。

薬物療法

ベータ遮断薬

心拍数の制御に使用され、動悸や頻脈を軽減します。

ミドドリン

血管を収縮させることで、立位時の血圧低下を防ぎ、心拍数の増加を抑える効果があります。

フルドロコルチゾン

ナトリウムと水の再吸収を促進し、血液量を増加させることで、症状の改善を図ります。

心理的サポート

慢性的な症状に対する不安やストレスが症状を悪化させることがあるため、必要に応じて心理的サポートやカウンセリングが提供されることがあります。

遷延性体位性頻脈症候群の日常生活での対策

長時間の立位を避ける

長時間の立位が避けられない場合は、定期的に足踏みを行ったり、座ったりするようにしましょう。

十分な水分補給

特に暑い日や運動後にはこまめに水分を補給し、脱水を防ぎます。

食事後の休息

食後に血流が消化器官に集中するため、食後すぐに立ち上がることは避け、しばらく安静にすることが推奨されます。

遷延性体位性頻脈症候群で医療機関に相談すべきタイミング

✅症状が頻繁に発生し、生活に大きな支障をきたしている場合

✅自己管理が難しい場合や、現行の治療が効果を示さない場合

✅新たな症状が発生した場合や、症状が悪化した場合

遷延性POTSは、慢性的な症状が生活に影響を与えることが多いため、適切な診断と治療を受けることが重要です。

専門の医師に相談し、継続的なケアを受けることで、症状の管理と生活の質の向上が期待できます。

ABOUTこの記事をかいた人

千葉県松戸市でプライベート整体サロン松戸整体院を運営。 痛くなく短時間で終わる『AS療法』をメインに活動中。 元シンガポールプロサッカー選手の経験を活かし、体の痛みや痺れの緩和方法や、正しい体の動かし方による怪我予防、パフォーマンスUPなどのアドバイスが得意。